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~花久勝、福華1、福之姫 ~ 三元交配の種雄牛を上手に保留するテクニック
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~花久勝、福華1、福之姫 ~ 三元交配の種雄牛を上手に保留するテクニック

2018.10.07交配のテクニック

花久勝、福華1、福之姫といった、三元交配で造成された種雄牛の人気があります。
(写真は福之姫)
三元交配とは、藤良系、気高系、但馬系といった、3つの異なる系統を交配することです。

三元交配で生産された素牛は、発育が良く、バラツキが少なく、BMSと枝重も向上します。
異なる系統同士を交配することで、雑種強勢が生まれます。

雑種強勢の効果は、発育、繁殖能力、強健性、飼料の食い込み、そして表現の均一性が向上します。
親同士の血が離れていて、遠くなれば遠くなるほど、強い雑種強勢が生まれます。
この三元交配と雑種強勢を上手く利用することで、枝重と肉質のバランスが取れた素牛を生産することが出来ます。

三元交配には、それぞれの系統が独立しており、それぞれの系統が独自の優良遺伝子を持って固定されている必要があります。そのために、全国の種雄牛や繁殖母体は、系統内交配を繰り返して、系統を維持してきました。

しかし、最近の種雄牛は、質量兼備を求めてハーフや三元交配の種雄牛が増えてきました。
これらの異系交配で造成された種雄牛は、異なる系統の優良遺伝子を両方持っており、産子の成績が良いのが特徴です。

これらのハーフや三元交配の種雄牛を保留する際には、交配に注意しないと行けません。
特に三元交配の種雄牛は、主要な系統の始祖牛の血が既に入っているために、保留した母体は雑種強勢が生まれにくいという弱点があります。

また、三元交配の種雄牛は血を固定してないために、1代目の産子には優良な遺伝子が伝わりますが、2代目や3代目と世代を進めていくと伝えたい優良な遺伝子が伝わりにくくなります。
三元交配の種雄牛の産子を保留するには、伝えたい優良な遺伝子を出来るだけ固定することが必要です。また、保留した後にもう一度、雑種強勢が生まれるよう、計画的に交配することも必要です。

三元交配の種雄牛の産子を保留するテクニックが、2つあります。

① 但馬系の血を濃くする。
② 2つ目は、同系の母体と、系統交配する。

福華1を例えにします。 福華1(平茂勝×安福165の9×糸晴波)
① 美津照重や安平に交配して但馬の血を濃くします。
② 福華1の一代祖の平茂勝と同じ気高系の、勝忠平や直太朗に交配して気高の血を濃くします。

福華1に含まれている藤良系の血には、北国7-8が含まれていません。
保留した福華1母体には、隆之国、美国桜のような藤良系の種雄牛の交配を推奨します。

福華1を保留したい時にお勧めの交配
福華1 (平茂勝×安福165の9×糸晴波)

① 但馬系の血を濃くした交配

福華1と相性が良い茂洋を、気高系のサンドイッチになるように交配します。

福華1×茂洋×平茂勝

上記の雌を保留した場合は、

諒太郎×福華1×茂洋×平茂勝
花国白清×福華1×茂洋×平茂勝
隆之国×福華1×茂洋×平茂勝

② 福華1を同系の気高に交配した場合

福華1×幸紀雄×安福久
福華1×諒太郎×菊福秀

上記の雌を保留した場合は、

花国白清×福華1×幸紀雄×安福久
隆安国×福華1×諒太郎×菊福秀

花久勝を但馬の血を濃くして保留する例
花久勝 (第一花国×安福久×平茂勝)

① 但馬系の血を濃くした交配

花久勝×安福久×第一花国
花久勝×美津照重×芳之国
花久勝×茂洋×北国7の8

上記の雌を保留した場合は、

幸紀雄×花久勝×安福久×第一花国
諒太郎×花久勝×美津照重×芳之国
直太朗×花久勝×茂洋×北国7の8

② 花久勝を同系の藤良系に交配する例

花久勝×北福波×平茂勝
花久勝×藤重栄×北乃大福
花久勝×隆之国×安福久

上記の雌を保留した場合は、

美津忠×花久勝×北福波×平茂勝
美津茂洋×花久勝×藤重栄×北乃大福
直太朗×花久勝×隆之国×安福久

花久勝は、最新の鹿児島の育種値では、脂肪交雑で1位で枝重もH評価です。
花久勝の半兄弟である、百合久や忠久勝も非常に高い能力を持っています。
是非とも上記の交配例を参考にして、素晴らしい遺伝子を保有している花久勝を、保留して下さい。