平成28年4月の薩摩家畜市場の諒太郎の全成績
2016.05.11交配のテクニック
今全国で最も注目されている気高系の種雄牛は「諒太郎」だと思います。
諒太郎は、(勝忠平×安福久×平茂勝)という血統で、
①生まれ落ちが非常に大きい
②発育と体型が素晴らしく良い
③肉質が抜群に良い
という3拍子が高いレベルで揃った種雄牛です。
1代祖の勝忠平は、(平茂勝×忠福×第20平茂)という血統で、当時鹿児島で最も優れていた但馬系の忠福を間に挟んで、第20平茂の直接の子である平茂勝を孫にかける「直子孫掛け」という近親交配で造成されました。
勝忠平は直子孫掛けという近親交配を行ったおかげで、第20平茂の優れた特徴である増体と体型が遺伝的によりホモ化され、強い遺伝力で増体能力が産仔に伝わるようになりました。
また勝忠平は、忠福の肉質の良さも受け継いでおり、質量兼備の種雄牛として全国で活躍しました。
諒太郎は、父の勝忠平と非常によく似た交配で造成されています。
現在最も優れている但馬系の安福久を間に挟んで、平茂勝の直接の子である勝忠平を孫にかける直子孫掛けで造成されました。
直子孫掛けの交配は、近親交配ですが、弊害は比較的少なく、遺伝子をホモ化させやすいと言われています。
諒太郎は、父の勝忠平が直子孫掛けという近親交配で固めた遺伝子を、もう一度直子孫掛けを繰り返すことによって遺伝子をより固めました。その結果、諒太郎の増体や体型といった遺伝子はより強くホモ化され、諒太郎の産仔は非常に優れた増体能力を持つようになりました。
諒太郎の産仔は母体を選ばずに、大きく発育が良いと言われています。
その理由としては勝忠平が固めた血を、もう一度固めることによって、よりホモ化されて遺伝力が強くなったからだと思います。
また、諒太郎は2代祖の安福久の優れた肉質の遺伝力も受け継いでいるようで、現場で割れている成績は母体に関わらず2桁が非常に多いそうです。
諒太郎は平成23年生まれの若い種雄牛です。これからの長きに渡る活躍を期待しています。
参考までに平成28年4月の薩摩市場に上場した諒太郎を全頭記載します。
めす 諒太郎×安福久×勝忠平
253日 295㎏ 94万9千
めす 諒太郎×隆之国×金幸
252日 280㎏ 75万9千
めす 諒太郎×安福久×百合茂
263日 289㎏ 79万4千
めす 諒太郎×美国桜×金幸
268日 281㎏ 88万4千
めす 諒太郎×美国桜×金幸
301日 319㎏ 79万9千
めす 諒太郎×平茂勝×安福165の9
297日 273㎏ 66万9千
めす 諒太郎×安福久×平茂勝
258日 309㎏ 79万1千
めす 諒太郎×百合茂×第5隼福
296日 301㎏ 72万6千
めす 諒太郎×安福久×百合茂
277日 269㎏ 84万7千
めす 諒太郎×百合茂×金幸
305日 297㎏ 85万5千
めす 諒太郎×百合茂×安福久
269日 295㎏ 80万6千
めす 諒太郎×安糸福×平茂勝
264日 257㎏ 66万1千
めす 諒太郎×第5隼福×第2宝勝
299日 310㎏ 70万5千
めす 諒太郎×安糸福×第20平茂
267日 272㎏ 65万9千
去勢 諒太郎×百合茂×美津福
233日 268㎏ 76万8千
去勢 諒太郎×百合茂×安平
238日 314㎏ 87万
去勢 諒太郎×安福久×勝忠平
290日 310㎏ 87万2千
去勢 諒太郎×百合茂×安平
285日 295㎏ 77万3千
去勢 諒太郎×安福久×百合茂
279日 335㎏ 116万9千
去勢 諒太郎×百合茂×金幸
294日 351㎏ 95万
去勢 諒太郎×安福久×平茂勝
260日 330㎏ 91万1千
去勢 諒太郎×百合茂×平茂勝
232日 316㎏ 84万6千
去勢 諒太郎×安福久×平茂勝
252日 312㎏ 97万5千
去勢 諒太郎×安福久×百合茂
282日 274㎏ 79万2千
去勢 諒太郎×安福久×百合茂
278日 315㎏ 91万1千
去勢 諒太郎×安福久×平茂勝
322日 281㎏ 88万8千
去勢 諒太郎×平茂勝×安福165の9
308日 283㎏ 67万5千