「OPUによる体外受精卵」or「体内採卵による体内受精卵」 どちらが優れている?
2024.04.09その他
どちらの繁殖方法も、より早いスピードで、育種値の高い雌牛の産子を量産することができます。県外から新しい繁殖牛を導入して、妊娠が出来ないなど繁殖障害があっても、OPUや体内採卵であれば、後継牛を残せる可能性があります。受精卵を活用することで、優れた牛群を効率的に作ることが出来ます。
OPU、体内採卵、そして人工授精は、非常に多くの要因が受胎に影響を与えています。卵子や妊娠を維持するのはエネルギーであり、エネルギーは繁殖の原動力です。しかし摂取する飼料が高タンパク質すぎると繁殖の結果が悪くなります。タンパク質は12%以下を推奨します。摂取するタンパク質が12%を超えると、超えた分だけ繁殖成績が悪くなります。採卵するドナーのストレスを減らし、計画的で長期的なミネラルの補給をしっかり行い、良質な乾草を与えることが重要です。 ルーメンはエネルギーを生産する原動力です。従って、常に安定してルーメンを働かせてエネルギーを生産させることが繁殖を成功させます。そのため、採卵する牛にはルーメンのpHを急激に変動させる揮発性の高い配合飼料は与える必要がありません。また、初期段階のクローバーやアルファファルファなどの牧草は非常に高タンパクなので避けるべきです。採卵の成功には家畜の遺伝、栄養、病気、ストレス、これらすべてを上手く管理する必要があります。その中でも栄養を管理することは特に大切です。
高額な繁殖牛を採卵しすぎて、生命力がなく受胎率が30%以下の高額受精卵が市場に出回っています。これらは採卵をやりすぎたせいで、卵子を再生産するエネルギーが不足した状態で採卵を行っていることが原因です。このような受精卵は、上手く受胎したとしても、受胎を維持できないことが出来ずに途中で流産してしまいます。スカスカの受精卵を作ってしまうドナー牛も、採卵回数を制限して妊娠させてお産させることで、また生命力のある受精卵が作れるようになります。
体内採卵について
体内受精卵は牛の体内で授精させ、AI(人工授精)後7日目に洗浄して取り出します。牛は1年に1頭しか子牛を産めないことを考えると、体内採卵を利用することで後継牛をより多く作ることが出来ます。採卵プログラムでは、卵胞刺激ホルモン(FSH)の投与が行われます。採卵は最短で35日ごとに行うことが出来ますが、採卵のやりすぎや、薬剤を間違った使い方をすると、繁殖障害を引き起こす可能性があります。一般的に体内受精卵は、体外受精に比べて受胎率が良いです。体内受精卵の受胎率は40~90%です。体内受精卵の受胎率が体外受精卵より高いことが、体内受精卵の最大の利点です。 妊娠した牛から卵子を採取できるかどうかが、2つの繁殖技術の最大の違いです。繁殖技術の最大の違いです。体内採卵は、採卵前にドナーを空胎にしておく必要があります。OPUは妊娠初期であれば採卵することが出来ます。
OPUは繁殖の未来?
OPUによる体外受精卵は1990年代に商業的に開始されましたが、2010年以降大きく成長しました。卵巣から直接卵子を取り出し(卵胞から卵母細胞)、ラボで人工授精させます。卵子は培養器の中で7日間成長し続け、7日後には凍結または新鮮胚移植の準備が整います。体外受精の最大の利点のひとつは、採卵前にドナー牛へ薬剤の注射を必要としないことです。また、過排卵のためにFSHを投与する必要もありません。牛飼いがしなければならないのは、採卵のために牛を枠場まで移動させるだけです。 回収された卵子は、吸引されてから1日後に人工授精します。授精後にインキュベーターで7日間の培養をします。インキュベーターは、母牛の子宮を模倣するために温度、環境、培地が管理されています。受精卵の日齢で7日目に移植もしくは凍結します。
OPUを利用した体外受精卵は多くのメリットがあります。特に、未経産の雌牛の後継牛を欲しい改良のスピードを求めるブリーダーにとっては価値があります。受精卵は35~42日目に胚の胎盤が母体の子宮に付着しますが、これは妊娠の重要なポイントです。体内受精卵の胚移植では、35日目から42日目の間に10%が流れます。体外受精卵はこの期間に、体内受精卵に比べて、より多くの受精卵が流れます。
OPUは分娩の1~2週間後で採卵することができます。そのためドナー牛が自然分娩で毎年子牛を産みながら受精卵を生産することができます。体外受精卵は、受胎率が低い場合、子牛 1 頭あたりの費用が高くなる可能性があります。体外受精卵を利用して受胎率が40%を切るようでしたら、体内受精卵や人工授精に切り替えることをお勧めします。体外受精卵は胚移植から約50%の受胎率を安定的に得ることが出来れば、繁殖において最も効率的で収益を上げる可能性があります。
ミルクネット受精卵研究所は、受胎率の高い受精卵を供給することを使命にしています。そのため採卵する際は、ドナーの栄養や飼養環境、採卵回数には厳しい独自のルールを設けています。例えば体内採卵では、一度採卵したら必ず妊娠させてお産させます。また検卵も通常よりも厳しく、本当に生命力のある受精卵のみを選抜して凍結しています。 受精卵の活用にご興味がある方はお気軽にご連絡ください。
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